こんにちは。IT/経済ジャーナリストで投資家の渡辺です。
先日、投資戦略の中で、日経オプションを補完的に利用する方法について説明しました。
参考:【日経オプション】保険と思ってオプションを買う
【日経オプション戦略】基本は上昇時にプット、暴落時にコールを買う
そちらのポジションをまだ持っていますが、下の画面右側を見ると、売り手(青い「売数量」の列)は19円で売りたい、ところが買い手(赤い「買数量」の列)は16円で買いたいということで値段の折り合いが付かず、売買が成立していません。
左側の中央の列を見ると、「日中」は空欄のままで、「ナイト」は16:31に21円となっています。
何と月曜日のお昼近くにも関わらず、先週金曜日の夕方から売買が成立していないことになります。
買いたいときにすぐ買えるのは当たり前?
取引量の多い米ドルとか東証一部上場の大企業(たとえばユニクロとか日立とか)であれば、だいたい買いたいときに発注すればすぐに買えます。
今、500円の株を400円で買うことはまず無理ですが、498円くらいで待ち構えていれば、そのうち買えます。
注意:急に値段が上昇して結局売買できないリスクがあるので、プロの相場師は値段を指定する「指値(さしね)」ではなく、多少高くても優先的に売買できる「成行(なりゆき)」で取引します。
ところがあまり有名でなく、人気のない会社の株など、そもそも流通量が少ない銘柄では、買いたくても売り手が少ない、ひどい場合はいないなどで、買おうとしても売買できない場合があります。
また経済危機や大災害の際など、大暴落時などは多くの人が売ろうとして、買おうとする人が極端に少ないため、ずらーっと売り手だけが並び、売買が成立しません。
ようやく相当低いところで買い叩こうと待ち構えている、逆張り投資家に安く買い叩かれる始末です。
買いたいときに買えないリスク
このように投資対象となる株や金融商品が、十分に市場に供給されている必要があります。
言い換えれば買いたいときに買ったり、売りたいときに売れることが大事です。このような十分な需給があることを「流動性(market liquidity)」と言います。
買いたいときに買えない、売りたいときに売れないリスクを「流動性リスク」ともいい、知っておきたいリスクの1つです。特に小型株や特殊なETFなどを売買する場合には必須です。
利回り等で有利に見える銘柄があっても、市場に出回っている量が極端に少ない場合は、投資対象として適切ではありません。