マーケットの動き リスク管理 投資全般

【投資のリスク管理】流動性のリスクに注意する

投稿日:2018-04-09 更新日:

こんにちは。IT/経済ジャーナリストで投資家の渡辺です。

先日、投資戦略の中で、日経オプションを補完的に利用する方法について説明しました。

参考:【日経オプション】保険と思ってオプションを買う
【日経オプション戦略】基本は上昇時にプット、暴落時にコールを買う

そちらのポジションをまだ持っていますが、下の画面右側を見ると、売り手(青い「売数量」の列)は19円で売りたい、ところが買い手(赤い「買数量」の列)は16円で買いたいということで値段の折り合いが付かず、売買が成立していません

左側の中央の列を見ると、「日中」は空欄のままで、「ナイト」は16:31に21円となっています。

何と月曜日のお昼近くにも関わらず、先週金曜日の夕方から売買が成立していないことになります。

買いたいときにすぐ買えるのは当たり前?

取引量の多い米ドルとか東証一部上場の大企業(たとえばユニクロとか日立とか)であれば、だいたい買いたいときに発注すればすぐに買えます。

今、500円の株を400円で買うことはまず無理ですが、498円くらいで待ち構えていれば、そのうち買えます。

注意:急に値段が上昇して結局売買できないリスクがあるので、プロの相場師は値段を指定する「指値(さしね)」ではなく、多少高くても優先的に売買できる「成行(なりゆき)」で取引します。

ところがあまり有名でなく、人気のない会社の株など、そもそも流通量が少ない銘柄では、買いたくても売り手が少ない、ひどい場合はいないなどで、買おうとしても売買できない場合があります。

また経済危機や大災害の際など、大暴落時などは多くの人が売ろうとして、買おうとする人が極端に少ないため、ずらーっと売り手だけが並び、売買が成立しません

ようやく相当低いところで買い叩こうと待ち構えている、逆張り投資家に安く買い叩かれる始末です。

買いたいときに買えないリスク

このように投資対象となる株や金融商品が、十分に市場に供給されている必要があります。

言い換えれば買いたいときに買ったり、売りたいときに売れることが大事です。このような十分な需給があることを「流動性(market liquidity)」と言います。

買いたいときに買えない、売りたいときに売れないリスクを「流動性リスク」ともいい、知っておきたいリスクの1つです。特に小型株や特殊なETFなどを売買する場合には必須です。

利回り等で有利に見える銘柄があっても、市場に出回っている量が極端に少ない場合は、投資対象として適切ではありません


 

-マーケットの動き, リスク管理, 投資全般

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA


関連記事

no image

スマートデイズのような不動産投資のリスクを避けて少額のREITを持つ

こんにちは。IT/経済ジャーナリストで投資家の渡辺です。 最近、家賃保証をした不動産投資が失敗した、という報道をよく見ます。 ちょっと疑問なのは、銀行の定期預金、さらには日本国債より利率のいい投資には …

no image

コンピュータを活かした「システムトレード」を理解する

こんにちは。IT/経済ジャーナリスト、投資家の渡辺です。 先日、投資スタイルには、企業のビジネスモデルや財務状況などのスペックから将来の成長を予想する「ファンダメンタル」と、直近の値動きから次の動きを …

no image

知っておきたい2つのテクニカルの基本 〜うねり取りには移動平均線とボリンジャーバンドが参考になる

こんにちは。IT/経済ジャーナリスト、投資家の渡辺です。 先日は投資スタイルの基本として、ファンダメンタルとテクニカルの2つのやり方があることをご紹介しました。 参考:http://money.ai- …

no image

うねり取りの仕掛けに失敗しないための5つのチェックポイント

こんにちは。経済/ITジャーナリスト、投資家の渡辺です。 昨夜のニューヨークの凄まじい下げに煽られ、今日の日本市場も日経平均にして600円もの下落となりました。 まだプラスですが、今少し持っている編集 …

no image

【ループイフダン検証 】NZドル買い試験運用半月レビュー

こんにちは。IT/経済ジャーナリストで投資家の渡辺です。 相変わらずアイネット証券のループイフダンの仕組みを走らせています。 トランプの保護貿易政策やその他イベントでここ最近の相場はややアップダウンが …