株価の動きはランダムウォーク(千鳥足)と言われ、不規則な動きをするものだというのが研究成果として知られています。
つまり、テクニカル分析には科学的根拠はないということです。
それでも、編集人は移動平均線やボリンジャーバンドなど、主要なテクニカル指標には(もちろん、相場に絶対はありませんが)ある程度の有効性はあると考えています。
こんにちは。IT/経済ジャーナリストで投資家の渡辺です。
これまでExcel(あるいは互換性の高いGoogleスプレッドシートやフリーウェアのLibreOfficeといった表計算ソフトウェアソフトウェア)で移動平均やボリンジャーバンドを計算させたり、あるいはRubyやPythonといった扱いやすいプログラミング言語で短い判定プログラムを作り、CSV(シンプルな文字列をカンマ(,)で区切ったデータファイル)ファイルを処理して、標準的な動きから株価が大きく外れた場合に知らせてくれるようなアプリを作り、毎晩動かしていました。
200万円の資金で、半年で28万円のリターンだったので、順調に行けば年利28%といったところでしょうか(データの入手が困難になってきて、途中で中断してしまいました)。
テクニカル分析に取り組む場合、通常はYahoo!ファイナンスのチャート(下図)もしくは各オンライン証券会社が提供する取引ツールのテクニカル分析機能を使えば、主要なテクニカル指標を使うことができます。
ただし、もし本格的にテクニカル分析をする場合やそれを応用してシステムトレードする場合には、株価やFXなど元値(終値、おわりね)の日々の推移を記録した日足(ひあし)データが必要です。
うねり取りのように自分が取り扱う銘柄が決まっていれば、日々自分でこつこつと終値を記録していく必要があり、編集人も上記のフリーソフトLibreOfficeに記録しています(昔から「場帳」を付けることは必須といわれています)。
以前は、何箇所かボランティアでデータを記録して公開してくださる個人投資家の方がいましたが(今でも細々とやっている以下のようなサイトはありますが)、著作権の問題などで東京証券取引所などから閉鎖するよう警告されたりするそうで、いつまで利用させていただけるか懸念があります。
米国では、以下のニューヨーク証券取引所のように、取引所で正式に全銘柄のデータを無償で提供していたりします。
プログラミングができる取引ツールMetaTrader4(通称 “MT4″)の使える証券会社もたくさんあり、データも入手しやすいので、テクニカル分析やシステムトレードがしやすい環境が整えられています。
ところが、日本では「貯蓄から投資へ」と掛け声ばかりで全然環境整備はせず、何だかなあと思います(Yahoo!ファイナンスの有料会員であれば、CSVデータをダウンロードできますが)
もっとも簡単なのはYahoo!ファイナンスからコピペすること
ということで、本格的にテクニカル分析をするために、株価データをどのように入手するか考えてみます。
もっともシンプルな方法は、Yahoo!ファイナンスから日足のテーブル(表)をExcelなどスプレッドシート(表計算ソフト)にコピー&ペーストすることです。
- まずYahoo!ファイナンスで個別の銘柄を選び、「時系列」をクリックします。
- 1ヶ月分の日足データが出ますが、テーブルの下までスクロールして、期間を指定します。
- この事例では2018年1月1日を指定してみます。
- 期間を設定して再度グラフを表示させます(この例では6ヶ月にしています)。テーブルの範囲を選んで、「Ctrl」キーと「C」キー(MacOSならば「Command」キーと「C」キー)を同時に押して、選択範囲をコピーします。
- Excelもしくは同様のスプレッドシート(管理人はフリーウェアのLibreOfficeを使っています)を新規に開き、左上の「A1」セルを選び、「Ctrl」キーと「P」キー(MacOSならば「Command」キーと「P」キー)を同時に押してペーストします。
- 再びYahoo!ファイナンスに戻ります。テーブルは一定期間しか表示されないので、(メンドウですが)右下の「株価時系列データをもっと見る」をクリックして、次のページを表示させます。
- 次のページが表示されるので、4. と同様にテーブルの範囲を選んで、コピーします。
- スプレッドシートに画面を切り替え、先ほどペーストしたデータの続き(数の22行目の一番左)から、データをペーストします。
- この操作を繰り返すことで、まとまった期間の日足テーブルを作ることができます。
- 全てペーストしたら、会社名や銘柄コードをファイル名にしてファイルを保存します(日産であれば7201なので、”7201.xlsx“にするといいでしょう)。
銘柄固定方式の場合
完全にシステム化してトレードする場合、多数の銘柄のテクニカル分析をコンピュータで一気に実行させるので、株価データの作成自体を自動化する必要があります。
ただし、管理人のメインの技法である「うねり取り」などを含め、ある程度銘柄を固定して、通常は2〜3本、多くても7〜8本くらいの絞り込んだ銘柄で売買する場合は、できれば毎日、それが難しくても少なくても週末などにまとめて株価の表を作り(日足の終値だけで構いません)、グラフを見たり、移動平均やボリンジャーバンドを見ていく必要があります。
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目的としては、日々観察することでその銘柄の値動きに慣れること(ランダムウォークで理屈では割り切れないことも多いですが、それでもある種のクセや傾向があります)、そして買い時のタイミングを測ることにあります。
またテクニカルの基本となる移動平均線やボリンジャーバンドは多くの人が見ているので、売買量の多い銘柄であれば、分岐点になる可能性た高いので、一定の有効性はあるとも考えられます。