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【MT4】今更、MT4でリピート売買プログラムを書く(1/4、基礎編)

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こんにちは。投資家でモノ書きの渡辺と申します。老後資金は自分で作れ、と言われてからずいぶん月日が過ぎましたが、皆さん、何か有効な手は打ちましたでしょうか。

一番の理想は、小人たちが寝ている間に稼いでいてくれることですが、とりあえず小人が働いてくれる程の善行を積んでいなくても、どこかの月に1〜2千円程度のサーバを借りて、自動売買プログラムを走らせることで、寝ている間に稼ぐことは可能です。

とはいえ、投資に必勝法がない以上は、寝ている間に損していることもあるので、正確には「時折損したりしつつも、トータルでは利益になるロジック(プログラム)を運用する」ということになります。

さて自動売買、つまりサーバで投資プログラムを実行して、事前に設定しておいた条件が揃ったら買いを入れ、一定の利幅が取れたら、または条件が整ったら決済する、という処理をしたい場合、日本国内は非常に貧弱です。

この原稿の執筆時(2022年8月)において、国内で株で自動売買をすることはほぼ不可能、FXやCFDだと業者側が用意した既存の仕組みを使うことでレディメイドの自動売買は可能です。

いくつかの代表的なロジックを利用するとか、特定のお手本を選んでそのトレーダーの売買を追いかけるミラートレードとか。自由度はないですが、ある程度の運用は可能です。

自分で1からプログラミングしたい場合、今の日本国内の環境では、ごく一部のFX業者が提供しているMeta Trader 4、通称MT4という自動売買もできるFX取引ツールを使ってC言語に似た文法の簡易言語でプログラミングする方法、または仮想通貨(法律上は「暗号資産」ですが、慣れているので「仮想通貨」と書きます)業者が提供するAPI(プログラムを動かす際に業者側で用意してくれた接続口。プログラムからアクセスして情報をやり取りしたり、システムに指示を出したりできる)をPythonでプログラミングして操作し、価格の取得や条件が揃ったところで売買の指示を出す方法の2択になるかと思います。

もちろん、他の方法がないわけではないですが、難易度や出回っている資料の圧倒的な多さを考えると、イバラの道だと思います。

別にプログラミングが目的でなく、資産形成が目的なので、こちらに掛ける手間暇時間は最小限にするのが投資家としては合理的な態度というものです。

これはこれで、作ったプログラムが思った通りに動くと、意外に楽しいという側面もあるのですが。

意図通りに動いたときは、何かしら脳内麻薬が出ているのでしょうか・・・。

とりあえずプログラミングの難易度から、また暴れまくる仮想通貨に比べればレンジが狭くて相対的にはリスクの低いFXでの運用を考えて、MT4で作ってみることにしました。

実はMT4は海外では普通に使われているので、ネット上にはお手本となるプログラムや資料が圧倒的に多いです。

残念ながら日本では大手では楽天証券FX、またそれ以外の中堅オンラインFX会社数社が提供しているくらいで、あまり選択肢は多くないのですが。

※MT4については、海外のFX業者ではスタンダードなので、どこかの海外業者に直で登録して使えば選択肢はたくさんありますが、日本の法令上はグレイなのと、海外業者はスプレッドが広いとか、スワップが分かりにくくて割損になることもしばしあるので、国内業者で始めるのが良いかと思います。

儲かるロジックを考える

というわけで使うツールを決めましたが、どのようなロジックで運用するのが良いかが次の問題となります。

いろいろな考えがありますが、まずは、多くのオンラインFXの証券会社で自動売買ツールの定番として提供されている、一定の値幅で買いと売りを繰り返すリピート型売買のロジックを使ってみることにします。

詳細はネットで「リピートイフダン」とか「トラリピ」、「ループイフダン」とかの検索ワードで調べると出てきますが、考え方としては、一定の値幅が下がったら買いを入れ、戻ったら利確してさらに次の買いを入れて、反対にさらに一定の値幅分下がったら次はその値段で買い増し、そこから上がったら利確、という処理を繰り返しながら、段階的に買いと売りを繰り返す売買手法です。

たとえば、ドル円がここ最近は105〜110円で動いていて今108円の時に、まず買いを入れ、108円から109円に動いたところで1円分を利確する、反対に108円から107円に下がったら108円のポジションは含み損を抱えますが、107円でもう1枚買い、もし108円に戻ったらそのポジションは1円分を利確し、最初から持っていた108円のポジションについては、109円に上がるのを待つ、ということになります。

筆者のこれまでの経験から見ても、レバレッジ低めにして想定よりも値が下がってもロスカットにならないよう証拠金を十分に積んでおくことと、暴落デイに見る見る内に含み損が増加していく恐怖に耐えることさえできれば、わりと有効な、ロワーミドルリスク、ロワーミドルリターンなロジックだと思います。

これ以外にも、移動平均や標準偏差を見て、そこから大きく逸脱した時に戻りを取るとか、テクニカル売買で定番の指標や方法がいくつかありますが、まずは堅実かつシンプルに始めてみる、という意味でも、このロジックで十分ではないかと思います。

実際に一定の資金があり、それを適切な通貨で運用すれば、月に5万とか10万くらい稼ぐのはそんなに難しいことではありません。

というわけで、既存業者のサービスを使うという手もありますが、そんなに複雑なプログラムではないので、これから4回に分けて、リピート型アルゴリズムによる自動売買のリスク管理の考え方とプログラム本体の作成、それから運用方法について説明していきます。

リピート型売買のリスク管理

さて、投資で負けないコツは大きく動いた時に資金を飛ばさないことだと思いますが、そのために必要なことはリスク管理であり、具体的には、大きな価格変動にも耐えられるような資金管理とポジション管理になるかと思います。

これはリピート売買に限らず、たいていのトレードで考えるべきことだと思いますが、プログラムを作る前に、その考え方について説明したいと思います。

まず大事なのは、資金管理です。これ、あまり説明している本とかないですが、本当に重要な、勝つための投資の極意といってもいいものです。

あればあるだけフルレバレッジで投入して、というのは最悪のやり方です。

レバレッジは博打のために使うのではなく、証拠金を低く抑えるためだけのものと思ってください。

たとえば、現物の株だと5,000円の株を買うためには、売買単位が100株の場合で5,000 x 100で50万円必要です。

また、25倍までレバレッジの出来るFXだと、たとえば75円のオーストラリアドル(豪ドル)を買う場合は、基本は1万通貨単位で売買するので、75 x 10,000で75万円分の取引をすることになります。

ところが、FXの場合は法令で定められた25倍までのレバレッジが出来るので、必要な資金(証拠金)は75万÷25で3万円で取引できます。(実際は、35,000円とか、少し余裕を持たせた金額が各証券会社によって設定されます)

少ない資金で大きな取引ができるのが、デリバティブ取引の特徴ですが、豪ドルは直近では60円近くまで下がったことがあります。

つまり75万円が60万円まで、15万円も下がったということになります。

レベレッジは3倍程度で

上の話をまとめると、下落でも耐えられるためには、証拠金35,000〜40,000円、15万下がっても耐えられる余力と考えると、少なくても証拠金と余力の合計で1ポジション当たり19万円、できれば余裕を見て22〜25万円程度の証拠金を積んでおくべきと思います。

原資産が75万円相当ですから、レバレッジで言うと、3倍ちょいといったところです。

これが動きの激しい仮想通貨であれば、もっとリスクが高まります。たとえば2021年5月に、ビットコインが600万円程度から320万まで下がる、まさに暴落と言っていい下落がありました。

つまりモノによっては半分になるリスクがあるということで、その場合はレバレッジは2倍以下に、できればレバレッジは掛けないくらいが良いかと思います。

見込みが外れたら損切りするという考え方もありますが、FXの場合はよほど高値圏で買わなければ、いずれまた値を戻すことも多いので、証拠金に余裕を持たせて安値圏で買い、買値の6割くらいに下落しない限り損切りはしない、というのが自分の基本的なアプローチです。

6割で損切りする、というのは、リーマンショック級の大暴落があった場合の緊急避難的な措置であります。言い換えれば、原則、損切りはしないで持ち続けるというスタンスで運用します。

高値掴みはしない

レバレッジは低め(3倍以下)と並んで、もう1つ重要なのは高値掴みはしない、というのがあります。

買いで入る場合は、安く買って高く売るが大原則です。

リピート型売買では多めに資金を用意して、高値から安値まで各レンジでそれぞれ「担当者」を置いて、そのレンジ毎に上昇分を刈り取っていくイメージです。

これが無制限にやってしまうと最高値(さいたかね)で買いが入り、それから下落の期間に入った場合、想定外の含み損に苦しむことになります。

しかも、値段が自分の持ち玉の買値より下のレンジで動くので、全然利確されず、資金効率という意味でも褒められたものではありません。

一部のFXであれば、日々のスワップが受け取れるのでいちおうお金に働いてもらうことはできますが、仮想通貨FXとか原資産によっては日々手数料を取られるものもあり、待っている間にじわじわ利益が削られていくということもあり得ます。

単にマイナスが並んで精神的にきついだけでなく、資金量によってはどこかで高値圏で買いを入れた玉を次々とロスカットせざるを得なくなり、時間を掛けてコツコツ貯めた利益を短時間で削り取る、場合によっては資金が枯渇して自動売買プログラムの運用を諦めないといけなくなります。

そこで、たとえば先ほど例に挙げた豪ドルだと、ここ2年くらいは60〜96円くらいのレンジで動いています。そのため上のレンジの2〜3割くらいは諦めて、88円を超えたら売買を一時停止するのがよいと考えています。

このような考え方の上で、次回は実際にMT4を使って、ロジックを実装していきます。

※言うまでもありませんが、投資はご自身の判断と責任で行ってください。本稿は参考情報として提供するものであり、特定の銘柄や市場全般の今後の動きを予測するものではありません。ここで提供する情報やソフトウェアを元に読者の方が行ったいかなる結果についても、筆者は責任は負えません。

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