株やFXで利益を出しやすい「うねり取り」投資法ですが、どこからどうやればいいか分からない人も多いと言われています。今回は少ない資金でも実際にポジションを入れてみて、利益を得る方法を説明します。意外にあっさりできることをお伝えできればと思います。
こんにちは。IT/経済ジャーナリストで投資家の渡辺です。
先般、限られた資金でも利益を出す2玉、もしくは3玉式のFXうねり取りのやり方について説明しました。
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・少ない資金で初心者にもオススメできる2玉式FXうねり取り その2・分割売買で変動リスク分散
価格変動リスクを低減する分割売買
投資をする上で一番のリスク(=不確定要素)は、価格変動リスクです。
FXの場合は、特に為替変動リスクということでもありますね。
もちろん、この不確定要素があるので、50万円が70万円になって利益が得られるわけですが、逆に50万円が30万円になる可能性も等しくあるわけです。
また株式の場合は、その会社が資金難などで倒産して、株が無価値になる(いわゆる「紙切れになる」)倒産リスクもあります。
この状況でどう利益を伸ばしつつ損失を防ぐかについて、多くの人が知恵を絞っているわけですが、その1つとして、「うねり取り」というスタイルが考えられました。
うねり取りの基本としては、以下のようになります。
- 財務基盤がしっかりしていて(倒産リスクが低い)、株式発行量が多く仕手筋などが価格操縦できる規模でない(価格変動リスクが低い)東証一部上場の大企業を対象とする
- 投資対象を1つ、多くても3つ程度に絞った上で、それらの銘柄の過去の値動きを場帳(株価の終値の推移を記録した表)や月足・日足チャートでよく観察し続け、十分に安値になってきたら仕掛ける(できれば自分で手描きでグラフを作る)
- 十分に安値で買ってもさらに値を下げることがある。その時のために資金を一気に使わず、何度かに分けて買いを入れる分割売買を行う(手持ちのポジションの平均値を下げるようにする)
実は先般ご紹介した2玉式、3玉式FXうねり取りは、この練習法に最適なのです。
株式の場合は、何か画期的な新製品の噂で急激に上昇したり、逆に東芝(6502)の粉飾決算のように嘘の情報が発覚して大暴落したり、最悪の場合は上場廃止や倒産といったリスクがあります。
FXや商品だと少し事情が違います。
たとえば外貨の場合は、相手国が存在して普通に存続している場合は、もちろん国際政治や経済の情勢で上がったり下がったりはするものの、レンジは決まっています。
株だと比較的安定しているみずほ(8411)でさえ、過去5年で140円から270円のレンジでその変動は約1.9倍です。
それに対して、管理人がループイフダンで扱っているニュージーランドドルの場合、(リーマン直後は凄かったですが)ここ5年は69円から94円までの1.4倍未満の範囲での動きです。
同様に、麦、トウモロコシ、コーヒーなど農産物とか商品市場もそれぞれの値頃なレンジがあるので、極端に高いと需要が減るのでそこで上げ止まるし、大幅に安値になると生産調整などで下げ止まるメカニズムがあり、株に比べるとレンジが決まっているといえます。
2分割または3分割で練習する
基礎的な練習法としては、林輝太郎先生の古典「うねり取り入門」またはその流れを組む板垣浩先生の「自立のためにプロが教える株式投資」で紹介されています。
非常にシンプルな基礎練習で、ある銘柄もしくは原資産に対して、ポジションを2つ分、または3つ分建てられる資金を用意します。
値動きを場帳やチャートで観察しつつ、安値圏に来たら最初の買いポジションを作り、そこから一定額下がったらさらにもう1つ買いを入れ(3回分の資金があれば、さらに下がるようであればもう1回買いを入れる)、リバウンドして戻ってきて、ある程度利益が乗ったら一括手仕舞いするというものです。
林先生の著書などでは、「単発の当て物」をしないよう、戒めています。
なぜなら、人は未来を予測することは不可能だからです。
その代わり、複数の玉(ポジション)を前提に波に乗ることで上下する動きに対応していくのが「うねり取り」のコツだといえます。
これについても林先生は、単発ではない連続性ができると書いています。
この連続性が単発の当て物との違いを生み、また価格変動リスクをできるだけ自分に有利に使うということです。
定期的に上下する値動きの流れやリズムに乗る練習であり、うねり取りが「波乗り」と言われる理由でもあります。
実技編
それでは実際にFXで基本の3玉でのうねり取りをやってみます。
治安の悪いところなのであまり推奨できるものではありませんが、わりと動きが分かりやすくスワップがいい(1日90円程度)メキシコペソで練習してみました。
理由は日足グラフの形を見て、いいタイミングだと判断したからです。
この時5.6円で1単位10万通貨で、1ポジションで56万円になります。
安値圏なのでとりあえずレバレッジ3倍まで許容できると考え、50万円を入金して3つまでポジションを建てることにしました。
若干3倍を超えますが(汗)。
まずは月足を見て、過去5年くらいの全体の流れを観てみます。
ちなみにこのチャートは、SBI FXのチャート機能を利用しています。
月足ベースで観ると、4.8円から8.6円のレンジで動いています
また直近2年は4.8円から6.4円で、わりと安値圏にあることが分かります。
編集人が最初の買いポジションを建てたのは、5.9円から急落して来て5.7円を割った5月中旬頃です。
そこから0.15円で刻むこととして5月下旬に5.45円で次の玉を入れました。
この時、最初は5.7円だったポジションが平均5.57円になりました。
その後、さらに5.3円を割ったので、そこでもう1回最後の買いポジションを入れました。
(5.7+5.45+5.3) ÷ 3で平均値が5.45円まで下がりました。
これで安値の5.3円から0.15円戻れば、プラスに転じます。
そしてまた上昇フェーズに入り、5.8円に近づいてきたので、10万円近い利益になりました。
このスクリーンショットを撮った後に、いったん利確しました。
またしばらく含み損が続いていましたが、1日当たり90円が3ポジションで270円のスワップが付いていたので、スワップでも1万円近い利益が取れています。
まとめ
ということで、FXの特長を利用して、レバレッジ3倍で3つまでポジションを建てる、また買いポジションを持つことで、含み損に耐えている間も日々のスワップを稼いでくれるので、しっかり働いてくれます。
資金50万円で2ヶ月で10万円を稼いでくれました。
この後1ヶ月休んでまた次の下落局面で入れて、を年に3サイクルできれば、タネ銭50万円で30万円以上の利益が得られるので、年利60%も夢ではありません。
実際は政情不安がある国なので、もう少し資金に余裕を持たせるか、1,000通貨単位のミニを活用するなどして豪ドルかニュージーランドドルでやることをお勧めします。
このような形で、比較的少ない資金でもうねり取りの実戦練習を積んで、実際に利益を得ることが可能です。