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【ループイフダン】より利益を伸ばすための両建ては有効か

投稿日:2018-03-23 更新日:

こんにちは。IT/経済ジャーナリストで投資家の渡辺です。

相変わらずアイネット証券のループイフダンの仕組みを走らせています。

英国ポンド(GBPJPY)を最大20本建てる買いポジションでは、半月で1%の利益になりました。

損切りとかする場合もあるので、先のことは分かりませんが、単純に24倍すれば、年利20%以上になる皮算用になります。

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現在、レバレッジは3倍。これ以上レバレッジを掛けるのは150円が100円前後になると耐えられません。

両建てで往復で取れるかシミュレートする

もう1つの方策として、買いと売りの両方のポジションを置き、価格が上昇する時に「買い」で取り、価格が下がる時に「売り」で取る、いわゆる両建てが想定されます。

証拠金が少なくてもいいように、主要通貨の中で円に対して一番安いニュージーランドドルで考えてみます。

たとえば今、最小単位の1,000 通貨(1,000 NZD)で、0.5円幅で買い(NZドルが上がると利益)と売り両方(NZドルが下がる利益)で30本ずつ両建てで入れたとします。

まずスタート時に76円売りと買いが1本ずつ入ります。ここから5円上まで上がって行く場合をシミュレーションしてみます。

77円になるまでに、以下の動きがあります。

(買いポジション)

76.5で最初の利確 → 500円の利益
77円で2番目の利確 → 累計1,000円の利益
77円で3番目の買いポジションが立つ(買いポジションは合計1本

(売りポジション)

76円のポジション → 1,000円の含み損
76.5円のポジション → 500円の含み損(累計1,500円の含み損)
77円で3番目の売りポジションが立つ(売りポジションは合計3本

つまり1,000円の利益を得て、代わりに1,500円の含み損を抱えるようになります。

一足飛びに5円上がって81円になると、以下のようになります。

(買いポジション)

76.5円で最初の利確 → 500円の利益
77円で2番目の利確 → 累計1,000円の利益
(中略)
81円で10番目の利確 → 累計5,000円の利益
81円で11番目の買いポジションが立つ(買いポジションは合計1本

(売りポジション)

76円のポジション → 5,000円の含み損
76.5円のポジション → 4,500円の含み損(累計9,500円の含み損)
(中略)
80.5円のポジション → 500円の含み損(累計27,500円の含み損***)
81円で11番目の売りポジションが立つ(売りポジションは合計11本

***計算の根拠は、76円から80.5円まで10本の売りポジションが建ち、合計すると 5,000+4,500+4,000+3,500+3,000+2,500+2,000+1,500+1,000+500 = 27,500円(含み損)

5,000円の利益を得て、代わりに27,500円の含み損を抱えるようになります(**)。

**実際は一足飛びで来ないので、途中で何度か往復した際に利確して、買い・売りいずれかのポジションとも、もう少し利益が出る可能性はあります。

さらに円安に振れると、含み損がさらに増えてきます。それなりに資金があれば耐えられますが、片盾同様、両建てでも高値買いもしくは安値での売りは厳禁だということです。

 

スワップ支払いによるコスト

また、売りポジションが増えてくると、毎日スワップの支払いが発生します。

特に多くのFX証券会社では、売りスワップの方が買いスワップより高いので(日本円の利率が低いため)、同数で両建てすると必ず支払うことになります(証券取引所が運営するくりっく365やYJ FXなどは同額だが、スワップ自体の金額は少ない方)。

ここ最近のアイネット証券の場合、NZドルは1万通貨あたり買いで38円(受取)、売りで-54円(支払)となります。

上記の76円が81円まで動いた事例の場合だと、買い玉は1,000通貨のみなので、受取スワップは38円×0.1で1日3.8円、売り玉は1,000通貨が11単位で支払スワップは38円×1.1で41.8円です。

もしこのレンジで相場が膠着している場合は、毎日(3.8 – 41.8で)38円支払うことになります。

これだけ見ていると少額ですが、この事例では0.5円(50銭)で利確するポジションの場合は、1回500円の利益に対して日々38円のコストを払うことになります。

もし3日とか4日とかこのレンジが続く場合は、500円の利益を得るために、38円 x 3(または4)で100円とか140円程度がコストとして差し引かれるので、2割とか3割とか利幅が削られることになります。

単純に両建てするのはお勧めできない

もう少し動くケースを考えてみます。

たとえば81円からさらに動いて85円になった場合、買いの利益は(81円までの5,000円と81円からの4,000円)9,000円になります。

それに対して売りポジションは76円を起点に18本建つことになります。最初の玉の含み損が9,000円、次が8,500円….. で 9,000+8,500+8,000+ … +500で85,500円の含み損を持つことになります。

さらに、このレンジに来ると高値圏ですから、買いポジションの方も高値つかみで、のちのち下がった時には含み損を抱えることになります。

つまりずっと持ち続けていると、つねに利益の何倍もの含み損を抱え続けることになります。

ということで、結論としては両建ては資金が潤沢な時に控え目にやれる訳でなければ、大量の含み損を抱え、スワップ支払いも発生し、そのまま放ったらかしでずーっとやるのであれば、積極的にはお勧めできないことになります。

過去2年分くらいの動きを見て、買いは底値圏で仕掛け、中央値前後を超えてきたら手仕舞い、逆に売りはもう少し慎重に、高値圏に来たら少なめの数量で仕掛け、こちらも下がってきたら深追いはしないで手仕舞いして、様子見しつつ次の買い玉を入れるタイミングをウォッチする、というのがいいでしょう。

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執筆者:


  1. 名無しさん より:

    >40銭幅で利確するポジションを組んだ場合は、1回400円の利益に対して日々38円のコストを払うわけですから、利益の1〜2割がコスト

    ポジション数が抜けてるから計算が違いますよ。
    逆に受け取る場合を考えればすぐ分かる話です。
    受け取る場合は400円の利益に対して、1割もスワップが貰えるんですか?。

    • money-admin より:

      ご指摘ありがとうございました。数字や表記が不正確だったり分かりにくい箇所もあり、全体を修正しました。

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