こんにちは。IT/経済ジャーナリスト、投資家の渡辺です。
昨日(2018/01/17)のビットコイン(BTC)の160万円台から100万円近くまでの大幅な下落は、NHKをはじめ地上波のニュースに出るほどの大騒ぎとなりました。
参考:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180117/k10011292231000.html
著名なブロガーで最近は仮想通貨投資家として活発に活動していたイケダハヤト氏がご自身の3千万円を超える含み損の画面を公開して、「仮想通貨から引退する」などと書いていたくらいです。60万の下落で3千万の含み損が出るということは、50枚くらい保有しているということでしょうか。
さらに360万円を元手にレバレッジを掛けてビットコインに5,400万円を突っ込んでいた20代の方が、1,600万円の損失を出したことが紹介されていました。
恥ずかしながら私も一晩で300万円を溶かしてしまったことがあります。大損する時のパターンはもう決まっていて、必ずレバレッジの掛け過ぎです。次いでいえば、あまり安値圏でないのに気が早って高値で買いポジションを入れてしまったこともよろしくないです。つまり高いレバレッジでの高値掴みが損失を招く地獄への片道切符だということです。
たとえば新興国通貨などで、数日で15〜20%近く下げることが数年に1度あります。
もしも100万円分で買い持ちしている場合には、レバレッジなしならば100万円が80万円になるということです。これだけでも慣れていないと動悸、息切れ、目眩が襲ってくるレベルの下落です。
ところが、レバレッジ5倍では損失が100万円、10倍では200万円、日本の金融商品で個人に認められている上限である25倍までレバレッジを掛けていた場合、500万円の損失になります。
つまりレバレッジ4〜5倍でも元金を吹き飛ばすほどのリスクがあるということです。さらにそれ以上のレバレッジを掛けた場合は、人生が狂うほどの借金を背負うリスクがあるということなのです。
おそらく2倍でも微妙で、いいところ1.5-6倍くらいがレバレッジの可能な範囲なのではないかと思います。
勘違いしてはいけないのは、高いレバレッジはハイリスクハイリターンの勝負をするための仕組みでなく、資金に余裕を持たせて出来るだけ安全に取引をするためのものだということです。
つまり個人の上限の25倍のレバレッジを掛けた場合、たとえば100万円あれば2,500万円までのポジションを持つことができます。それだけの大幅な余裕を持った上で、あまりレバレッジを掛けずに、なおかつ資金に余裕を持たせてポジションを持てば、リスクを最小限にすることができるということです。
現代社会で投資をするということは、好むと好まざるとに関わらず何が起きるか分からない国際金融市場を相手にしていることであり、細心の注意を払ってリスク管理をするのが最優先なのです。
例外として、海外のFX業者を使うと(日本の金融庁監督下にないので、何かあった場合でも行政からの保護やサポートはありませんが)、ロスカットしてゼロになった時点でユーザーがそれ以上の損失は負わないゼロストップの仕組みを持っている業者が多いので、レバレッジを掛けて大暴落に会った場合でも借金を背負うことはありません。
つまり、ある程度吹っ飛ばしてもいい範囲でタネ銭を用意し、高いレバレッジを掛けて投機的に使うことは可能です。
海外FX業者については国内業者にない面白い、というか効果的な使い方ができるため、これだけでいくつもトピックが書けるほどの材料があるので、また別の機会に少し説明できればと思います。
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よくリーマンショックのような強烈な暴落の時に、統計的に千年に1度の異常なイベントが起きたと専門家が解説していることがあります。
ここには3つの罠があります。1つは「統計」といっても過去20〜50年程度の金融市場の動きを分析しているだけなので、未来の動きは読めないということ。
もう1つは、千年に1度の稀なイベントが発生するのがいつかは分からないということです。千年後かもしれないし、明日かもしれない。一見、長いように見えますが実はいつ起きてもおかしくないのです。
さらに確率論的な議論をすると自然科学的に見えますが、人間界ではさまざまな人為的な思惑や活動、仕掛けがあり、そこで各プレーヤーが予期せぬ動きをする複雑系なので、益々いつ何が起きてもおかしくないのです。
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ちなみに編集人は暴落時に安くなったところで何段階かに分けて買う、という手法を取っているので、一昨日と昨日で今のところレバレッジ1.5倍で何段階かに分けてあらかじめ買いを入れておいたのが約定していました。
平均140万円で1.2BTCあるので、またビットコインが180万円とか200万円近くまで上昇することがあれば、50〜60万円程度の利益を得ることになります。
ただしこの先、投資家が萎縮してしまって思うように値が伸びないケース、何らかの悪材料で100万円より大きく下げるケース、逆に参加者が増えて200万円どころか300万円とか500万円を超えて上昇するケースなどいくつかのシナリオが考えられます。
どのケースも起こり得ることですので、油断せずレバレッジはこれ以上掛けず(これでも、もしビットコインが30万円くらいになると、全額吹っ飛ぶことになります)、できれば一部のポジションは少し上がったところで損失のない程度で利確したりして、レバレッジ比率をもう一声、下げたいところです。